株式会社 ジャッド Judd. Co., Ltd. note

#クールチョイス鹿児島2018

10年先に実ること

 

“環境問題”というと、自分にはどうすることもできないとても大きな事象のように感じてしまう。私も、もともとはそんな風に思っていた生活者の一人でした。それが、ある縁から『ecocolo』というエコロジーなライフスタイルを提案する女性誌の編集に関わるようになって、少しずつ身近な事柄へと変わっていきました。そこから10年ほど経った今も、私は特別な知識を持った環境専門家ではなく一人の生活者でしかありませんが、ecocoloの取材を通じたさまざまな人や場所との出会いから、日々の暮らしの中にある小さな選択の一つひとつが環境と繋がっているのだということを学びました。
たとえば、どんな人にも身近なものである“食”。遠くから運ばれて来たものよりも、近くで作られたもの は、輸送による環境負荷が少ないだけでなく、旬のものはより新鮮でおいしく、その土地で暮らす人にとって必要な栄養素も含まれていると言われています。大きく物事を動かすような画期的なアイデアも素晴らしいですが、このような誰にでも選択できる些細なことも、時間はかかるけれどやがては揺るぎない大きな力へと変わっていくのだと思います。
振り返ると、ecocoloで仕事を始めた10年前には、オーガニックというと「怪しい」「宗教っぽい」と嫌厭されていたのが、今ではすっかり馴染みのあるものになってきました。このクールチョイスという取り組みが、取り組みではなく日々の当たり前の行動や、楽しさに変換できるようになることが、環境問題を解決するには遠回りなようで、実は近道なのではないかと思います。そして、これまで国内外たくさんの土地を取材してきましたが、鹿児島の人ほど自分の土地をまっすぐに愛している人たちは他にいないのではないかと。自分の生まれ育った土地をよりよくするための小さな選択にも、きっと惜しみない人たちなのではないかと感じました。

石田エリ(編集者)
環境に配慮したライフスタイルを考える雑誌『ecocolo(エココロ)』編集長を経て、2015年よりフリーランスに。食と旅を中心に編集・執筆活動を行う他、日本財団のプロジェクトとして、障がいのある人たちのアート活動を紹介するメディア『DIVERSITY IN THE ARTS』の編集ディレクションを担当。編集を手がけた書籍に『野生のベリージャム』(小島聖/青幻舎)、『Tokyo Eatrip』(野村友里/講談社)がある。『COOL CHOICE 鹿児島』では、トークショーに登壇し、世界中の様々な事例について紹介した。


2018年10月4日 発行
発  行/ 鹿児島市 環境政策課
鹿児島市山下町11-1
TEL 099-216-1296

編  集/ 株式会社ジャッド
清水隆司、馬場拓見
デザイン/ 株式会社ジャッド
イラスト/ オカタオカ
運営協力/ 株式会社KCR

Photo by 南修一郎(p04-05)、奥敬志(p02-03、p08)、磯畑弘樹(p12-13)
協  力/ 鹿児島大学広報センター、本田 豊洋(鹿児島大学 法文学部 准教授)
*この冊子の取材に係る情報は2018年発行時点のものです。